
入学祝いのお返しは必要?相場や時期、のしなどの基本マナーとおすすめギフトを解説
お子さまの新たな門出である入学、誠におめでとうございます。祖父母や親戚、親しい方から心のこもった入学祝いをいただき、喜ばしい気持ちでいることでしょう。その一方で、「いただいたお祝いに、お返しは必要なのだろうか?」と悩んでいませんか。
一般的に、入学祝いは子どもの成長を願って贈られるものであり、お返しをする経済力がない子ども本人に代わって、親がお返しをする必要はないとされています。しかし、感謝の気持ちを形にして伝えたいと考える方も多く、実際にお返し(入学内祝い)を贈るケースは少なくありません。
この記事では、入学祝いのお返しに関する基本的なマナーから、相手に喜ばれるギフト選びのポイント、そして「お返しは不要」と言われた際のスマートな対応方法まで、詳しく解説していきます。お返しに関する不安を解消し、お祝いしてくださった方へ温かい感謝の気持ちを伝えましょう。
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入学祝いのお返しは基本的に不要?
「入学祝いにお返しは不要」と聞いたことがある方は多いかもしれません。まずは、その理由と、それでも多くの人がお返しを贈る背景について見ていきましょう。
「お返し不要」が一般的な理由
入学祝いは、これから学校生活が始まる子ども本人に対して贈られるお祝いです。子ども自身にはお返しを用意する経済的な力がないため、基本的にお返しは不要とされています。 この考え方は、広く一般的に浸透しているマナーです。
しかし、「お返しをしないこと」と「お礼を伝えないこと」は全く意味が異なります。お祝いをいただいたら、まずは親子揃って電話をしたり、お礼状を書いたりして、感謝の気持ちをきちんと伝えることが何よりも大切です。
それでもお返しを贈る人が多いのはなぜ?
お返しは必須ではないものの、実際には「入学内祝い」として品物を贈る家庭が多いのが現状です。その背景には、単なる返礼品ではなく、「子どもの成長をお祝いしてくれてありがとう」という感謝の気持ちや、「無事に入学できました」という報告を兼ねて贈りたいという想いがあります。
また、特に祖父母や親しい親戚からランドセルや学習机、高額な現金など心のこもったお祝いをいただいた場合、「ありがとう」の言葉だけでは気持ちが収まらないと感じる方も多いようです。こうした心遣いへのお礼として、内祝いを贈ることで、今後のより良い関係を築いていきたいという願いも込められています。
「入学内祝い」とは?
「内祝い」という言葉は、本来「身内のお祝い」を意味し、おめでたいことがあった家が、その喜びを親戚や近所の人と分かち合うために贈り物をしたり、宴席に招いたりする習慣を指していました。
しかし現代では、いただいたお祝いに対する「お返し」という意味合いで使われることが一般的になっています。入学祝いにおける「入学内祝い」も同様で、「いただいたお祝いへのお返し」と、「無事に入学できたことの報告」を兼ねた贈り物として定着しています。
昔の内祝い | 今の内祝い |
身内のお祝い事の喜びのお裾分け | いただいたお祝いに対するお返し |
お祝いをいただいていない人にも贈る | お祝いをいただいた人にだけ贈る |
自発的な贈り物 | 返礼品としての意味合いが強い |
【完全網羅】入学祝いのお返し(内祝い)の基本マナー
入学祝いのお返しを贈ることを決めたら、相手に失礼のないよう、基本的なマナーをしっかりと押さえておきましょう。贈る時期や金額の相場、のしの選び方など、大切なポイントを解説します。
いつ贈る?最適な時期は入学式後1ヶ月以内
入学内祝いは、無事に入学式を終えたことを報告する意味合いも含まれるため、贈るタイミングは入学式の後が基本です。具体的には、入学式から1ヶ月以内を目安に相手の手元に届くように手配しましょう。
お祝いを早くいただいた場合でも、入学式が終わるまでは待つのがマナーです。ただし、お祝いを受け取ったら、品物を贈るより先に、まずは電話などでお礼を伝えることを忘れないようにしましょう。子ども本人からも直接「ありがとう」を伝えることで、相手の喜びも一層深まるはずです。
金額の相場は?いただいた額の3分の1~半返しが目安
お返しの金額相場は、いただいたお祝いの3分の1から半額(半返し)が一般的です。例えば、10,000円のお祝いをいただいたら、3,000円~5,000円程度の品物を選ぶと良いでしょう。
あまりに高価なお返しは、かえって相手に気を遣わせてしまう可能性があります。「お祝いが足りなかっただろうか」と心配させてしまうこともあるため、相場の範囲内で品物を選ぶのが賢明です。
いただいたお祝いの金額 | お返しの目安(3分の1~半返し) |
5,000円 | 1,500円~2,500円 |
10,000円 | 3,000円~5,000円 |
30,000円 | 10,000円~15,000円 |
50,000円 | 15,000円~25,000円 |
のしの選び方と書き方
入学内祝いはフォーマルな贈り物ですので、のし紙をかけるのがマナーです。のしには様々な種類がありますが、入学祝いのお返しに適したものは以下の通りです。
·水引(みずひき): 紅白の蝶結びを選びます。蝶結びは、何度でも結び直せることから「何度あ っても嬉しいお祝い事」に使われます。
·表書き: 水引の上段中央に「内祝」または「入学内祝」と書きます。
·名入れ: 水引の下段中央に、お祝いをいただいた子どもの名前を書きます。苗字は不要です。小 学校入学など、まだ幼い場合は、読みやすいようにひらがなで名前を書いても良いでしょう。
お礼状を添えて感謝の気持ちを伝える
品物だけを贈るのではなく、ぜひお礼状やメッセージカードを添えましょう。子どもの言葉で書かれた手紙や、入学式の写真が添えられていると、相手の喜びはさらに大きなものになります。お孫さんの成長を何よりも楽しみにしている祖父母にとっては、高価な品物以上に嬉しい贈り物となるはずです。
お礼状には、以下の内容を盛り込むと、感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
1.お祝いをいただいたことへのお礼
2.いただいた品物を使っている様子や、子どもの近況
3.入学式を終えた子どもの様子
4.これからの抱負など
5.子どもの写真や直筆のメッセージ・イラスト
【相手別】入学祝いのお返しにおすすめのギフト
お返しの品は、相手の好みやライフスタイルを考えて選ぶことが大切です。ここでは、贈る相手別に人気のあるギフトの傾向と、おすすめのアイテムをご紹介します。
祖父母へのお返し|お孫さんの成長が伝わるものを
おじいちゃん、おばあちゃんにとって、何よりの贈り物は「お孫さんの成長を感じられること」です。高価な品物よりも、気持ちが伝わる工夫を凝らした贈り物が喜ばれます。
例えば、子どもが描いた似顔絵や、入学式の写真を入れたフォトフレーム、感謝のメッセージを印字したお菓子などが人気です。また、好みが分かっている場合は、少し高級な和菓子や、夫婦で楽しめるグルメギフトなども良いでしょう。
おすすめギフト | ポイント |
名入れギフト(お菓子、カステラなど) | 子どもの名前が入ることで特別な贈り物になる |
フォトフレーム(写真入り) | 孫の晴れ姿を見ることができ、いつでも思い出せる |
カタログギフト | 好きなものを選んでもらう楽しみを贈れる |
上質な和菓子・洋菓子 | 夫婦で過ごすティータイムを豊かにする |
親戚へのお返し|気軽に受け取れる消えものが人気
親戚へのお返しには、相手に気を遣わせず、気軽に受け取ってもらえる「消えもの」が定番です。個包装になっているお菓子の詰め合わせや、普段使いできる調味料、ドリップコーヒーのセットなどが人気です。
相手の家族構成を考慮して、みんなで楽しめるものを選ぶと良いでしょう。好みがわからない場合は、複数の種類が入ったアソートタイプのギフトがおすすめです。
高額のお祝いをいただいた場合のお返し
ランドセルや学習机、10万円といった高額なお祝いをいただいた場合、相場通りに半返しをするとお返しの額も大きくなり、かえって相手を恐縮させてしまう可能性があります。
このような場合は、相場にこだわりすぎず、感謝の気持ちを丁寧に伝えることを最優先に考えましょう。お返しの品は相場の3分の1程度に抑え、その分、子どもからの手紙や入学式の写真を立派なアルバムにして贈るなど、心のこもった工夫をすると喜ばれます。 食事会に招待して、子どもの成長した姿を見てもらうのも素敵な方法です。
入学祝いのお返し選びで気をつけたいNGな品物
お祝いのお返しには、縁起が悪いとされ、避けるべき品物がいくつか存在します。せっかくの感謝の気持ちが誤解されないよう、以下の品物は避けるのが無難です。
「縁切り」を連想させるもの
刃物(包丁、ハサミなど)は「縁を切る」という意味につながるため、お祝い事の贈り物にはふさわしくありません。また、ハンカチも漢字で「手巾(てぎれ)」と書くため、同様の理由で避けられています。特に白いハンカチは、お別れの場面を連想させるため注意が必要です。
「死」や「苦」を連想させるもの
櫛(くし)は「苦」や「死」を連想させるため、縁起が悪いとされています。また、日本茶は香典返しなど弔事で使われることが多いため、お祝いのお返しには不向きと考える方もいます。ただし、相手がお茶好きだと分かっている場合は、この限りではありません。
現金や商品券を贈る際の注意点
現金や商品券は、贈った金額が相手に直接分かってしまうため、目上の方へのお返しとしては失礼にあたる場合があります。特に、いただいたお祝いより明らかに少ない金額の商品券を贈るのは避けましょう。
もし商品券などを贈りたい場合は、単体で贈るのではなく、お菓子などの品物に添えて贈るのがマナーです。そうすることで、金額が生々しく伝わるのを和らげることができます。
「お返しはいらない」と言われた場合の対応方法
お祝いをくださった方から「お返しは気にしないでね」と言われることも少なくありません。このような場合、どのように対応するのが最もスマートなのでしょうか。
言葉通りに受け取って良いケース
祖父母やご両親など、ごく親しい身内からの「お返しはいらない」は、本心であることがほとんどです。「お返しの費用は、孫のために使ってほしい」という温かい心遣いでしょう。このような場合は、相手の気持ちを素直に受け取り、品物でのお返しはしなくても問題ありません。
お礼の気持ちを伝える他の方法
品物でのお返しをしない場合でも、感謝の気持ちを伝えることは非常に重要です。電話でお礼を伝えるのはもちろん、子ども直筆のお礼状や、入学式の写真を送るだけでも、相手は大変喜んでくれるはずです。 いただいたお祝いで購入したランドセルを背負った写真や、学習机で勉強している姿の写真を贈るのも、感謝の気持ちが伝わる良い方法です。
電話やお礼状で感謝を伝えよう
お返しをする・しないに関わらず、お祝いをいただいたら、できるだけ早く(できれば当日か翌日中に)電話で直接お礼を伝えましょう。その際、子ども本人からもお礼と、これからの学校生活への抱負などを伝えさせると、成長を感じてもらえて一層喜ばれます。
後日、改めて手紙やハガキでお礼状を送ると、より丁寧な印象になります。子どもの元気な写真やイラストを添えて、感謝の気持ちを伝えましょう。
まとめ
入学祝いのお返しは、必ずしも必要ではありませんが、感謝の気持ちを伝えるための大切なコミュニケーションの一つです。基本的なマナーを守り、相手を思いやる心を持って準備をすれば、その気持ちはきっと相手に伝わります。
この記事でご紹介したポイントを参考に、お祝いしてくださった方との良好な関係を育んでいってください。お子さまの輝かしい学校生活のスタートを、心よりお祈り申し上げます。

