
内祝いの「のし」の名前は誰のを書く?【出産・結婚別】書き方のマナーを徹底解説!
内祝いを贈る際、品物選びと同じくらい頭を悩ませるのが「のし」の書き方ではないでしょうか。特に名前を「誰のものにすれば良いのか」は、多くの方が迷うポイントです。間違った書き方をしてしまうと、せっかくの感謝の気持ちが正しく伝わらない可能性もあります。
この記事では、内祝いの「のし」に関する基本的なマナーから、出産・結婚といったシーン別の名前の書き方、そして多くの人が疑問に思う点をQ&A形式で分かりやすく解説します。この記事を読めば、自信を持って内祝いを贈れるようになるでしょう。
まずは確認!内祝いの「のし」の基本マナー
名前の書き方を覚える前に、まずは「のし」の基本的なマナーについておさらいしましょう。相手に失礼のないよう、正しい知識を身につけることが大切です。
そもそも「のし」とは?
「のし」とは、のし紙の右上にある飾りのことを指します。これは「のしあわび」を簡略化したもので、古来より縁起物として贈り物に添えられてきました。現在では、この「のし」と、中央の飾り紐である「水引(みずひき)」が印刷された「のし紙」を使うのが一般的です。これらを総称して「のし」と呼ぶことも多くなっています。
水引の種類と正しい選び方
水引は、色や結び方によって意味が異なります。内祝いのシーンに合わせて正しく選ぶことが重要です。
内祝いのシーン | 水引の色 | 結び方 | 意味 |
|---|---|---|---|
出産・入学・新築など | 紅白 | 蝶結び | 何度あっても嬉しいお祝い事 |
結婚 | 紅白または金銀 | 結び切り(10本) | 一度きりであってほしいお祝い事 |
快気祝い | 紅白 | 結び切り(5本) | 二度と繰り返したくないお祝い事 |
特に結婚内祝いでは、何度も結び直せる「蝶結び」は別れを連想させるためマナー違反とされています。固く結ばれてほどけない「結び切り」を選びましょう。
表書きの書き方
水引の上段中央には、「表書き」として贈り物の目的を記載します。内祝いの場合、シンプルに「内祝」と書くのが最も一般的です。結婚内祝いの場合は、「寿」とすることもあります。文字は、毛筆や筆ペンを使い、楷書で丁寧に書きましょう。
【シーン別】これで完璧!内祝いの名前の書き方
ここからは、本題である「名前の書き方」をシーン別に詳しく解説します。誰の名前を書くのが正解なのか、ここでしっかり確認しましょう。
出産内祝い|赤ちゃんの名前をお披露目
出産内祝いの「のし」には、水引の下段に赤ちゃんの名前のみを記載します。これは、いただいたお祝いへのお返しという意味合いに加え、赤ちゃんの名前をお披露目するという大切な目的があるためです。読み方が難しい名前の場合は、混乱を避けるために名前の右側にふりがなを振ると親切です。
結婚内祝い|新姓と夫婦の連名が基本
結婚内祝いでは、新しい姓と夫婦の名前を連名で記載するのが一般的です。書き方にはいくつかのパターンがあります。
· 中央に新姓、その下に夫婦の名前を並べて書く
· 新郎の姓名を中央に書き、その左に新婦の名前を書く
結婚は両家の結びつきでもあるため、それぞれの旧姓を並べて「〇〇(新郎の姓) △△(新婦の姓)」と記載する方法もあります。入籍後、名字が変わらない場合は、夫婦それぞれのフルネームを記載します。
新築・引越し内祝い|世帯主の名前を書く
新築や引越しに関する内祝いでは、世帯主の姓名を書くのが一般的です。家族全員でお世話になるという気持ちを込めて、家族の連名にすることもありますが、基本は世帯主の名前のみで問題ありません。
入学・就職内祝い|お祝いをもらった本人の名前
入学祝いや就職祝いへのお返しである内祝いには、お祝いをいただいた子供や本人の名前を書きます。これは、本人から感謝の気持ちを伝える、という意味合いがあるためです。まだ学生で、贈る相手が親の知人である場合など、誰からの贈り物か分かりにくいと想定されるケースでは、世帯主(親)の名前で贈ることもあります。
もう迷わない!名前の書き方Q&A
基本的な書き方は分かっても、いざ準備を始めると「こんな場合はどうすれば?」と新たな疑問が出てくるものです。ここでは、よくあるお悩みについてお答えします。
複数人の連名で贈る場合は?
夫婦や家族など、複数人で内祝いを贈る場合は、連名で名前を記載します。その際、目上(年長者)の人を右から順に書くのがマナーです。夫婦の場合は、夫のフルネームを中央に書き、その左に妻の名前を書きます。特に序列がない友人同士などの場合は、五十音順で記載します。連名が4名以上になる場合は、代表者の名前を中央に書き、その左に「他一同」と書き添え、全員の名前は別の紙に書いて同封するのがスマートです。
贈る相手 | 右 | 中央 | 左 |
|---|---|---|---|
夫婦 | (空欄) | 夫の姓名 | 妻の名前 |
3名の友人 (五十音順) | 相田 太郎 | 鈴木 次郎 | 高橋 三郎 |
4名以上の職場同僚 | (代表者)山田 太郎 | 他一同 | (空-欄) |
職場の同僚などへ贈る場合は?
職場の部署一同などからお祝いをいただいた場合のお返しは、個別に配れるお菓子などが選ばれることが多いです。その場合、一つひとつに「のし」をかけるのは大変ですので、お菓子の大きな箱に代表として一つ「のし」をかけます。名前は「〇〇(代表者名) 他一同」とするか、会社名や部署名を記載しましょう。
名前にふりがなは必要?
特に決まりはありませんが、出産内祝いで赤ちゃんの名前が読みにくい場合や、結婚で姓が変わり相手が読めない可能性がある場合には、ふりがなを振ると親切な印象になります。名前の右側に、少し小さめの文字で記載しましょう。
旧姓を書きたいときはどうすればいい?
結婚内祝いを贈る際、職場などでは旧姓で通しているため、新姓だと誰からの贈り物か分からないのでは、と心配になる方もいるでしょう。しかし、のしには正式な名前である「新姓」を記載するのがマナーです。どうしても旧姓を伝えたい場合は、品物に添えるメッセージカードに「(旧姓 〇〇)」と書き添えたり、配送伝票の差出人欄に旧姓を併記したりする方法がおすすめです。
名前なしの「無地のし」はマナー違反?
相手に気を遣わせたくないなどの理由から、名前を書かない「無地のし」で贈りたいと考える方もいるかもしれません。名前なしが直ちにマナー違反になるわけではありませんが、特に郵送で贈る場合は、誰からの贈り物か分からなくなってしまう可能性があります。感謝の気持ちを伝えるためにも、基本的には名前を書いて贈ることをおすすめします。
渡す相手や方法で使い分ける「内のし」と「外のし」
のし紙のかけ方には、品物に直接のし紙をかけてから包装する「内のし」と、包装紙の上からのし紙をかける「外のし」の2種類があります。どちらを選ぶべきか、それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
控えめな印象の「内のし」が適したケース
「内のし」は、包装紙を開けるまでのし紙が見えないため、控えめな印象を与えます。内祝いは本来「幸せのおすそ分け」という意味合いがあり、お返しということを前面に出しすぎない方が奥ゆかしいとされるため、内祝いでは「内のし」が一般的とされています。また、配送中にのし紙が汚れたり破れたりするのを防げるため、郵送で贈る場合にも適しています。
贈り主が分かりやすい「外のし」が適したケース
「外のし」は、贈り主や贈り物の目的が一目で分かるのが特徴です。たくさんの贈り物が集まる結婚披露宴の引き出物や、相手に直接手渡しで贈る場合に適しています。誰からのどのような贈り物かがすぐに伝わるため、相手にも親切です。
まとめ
内祝いの「のし」の名前の書き方は、シーンによって異なりますが、ポイントを押さえれば決して難しいものではありません。出産内祝いなら「赤ちゃんの名前」、結婚内祝いなら「夫婦の連名」が基本です。
最も大切なのは、相手への感謝の気持ちです。正しいマナーで、心のこもった素敵な内祝いを贈りましょう。

