企業がお詫びとしてお金を渡すときって?基本マナーや勘定科目について
ビジネスにおいて、顧客や取引先へ損害を与えてしまったときは、謝罪の意を伝える必要があるでしょう。お詫びの意思を表す方法のひとつに「お金」を渡すことがあります。お詫びの品としてお金を渡すときは、気持ちが伝わるよう配慮することが大切です。
今回は、企業がお詫びを必要とする場面や渡し方のマナー、お詫びする際のお金の仕訳方法などについて解説します。
Visaのギフトはネットでも店舗でもつかえて誰からも喜ばれるため、お詫びや御礼などにもご利用いただいています。
【公式】オンラインストアでご注文いただければ、最短翌日にお届けいたします。
目次[非表示]
ビジネスにおいてお詫びが必要な場面
お詫びが必要になるのは、ビジネス上なんらかのトラブルで損害が発生し、顧客や取引先が気分を害す・怒るようなときです。例えば、次のような場面が考えられます。
●代金に関するミス
請求書の代金の入力ミス、商品番号の取り違え、商品値下げや割引が請求書に未反映、などの不備により、本来よりも多い金額を請求してしまったケースです。請求される側としては、入金指示が出されておらず支払いが遅れるなどの事態もあります。
●自社商品の不良
販売した自社の商品に、初期不良・部品欠落・破損などがあった場合です。
●対応に不備があった
顧客からの問い合わせ対応において、丁寧な対応ができなかったり、質問に答えられなかったりすると、顧客は不満を感じます。そのような場合に回答を保留したまま、折り返しの連絡を忘れてしまうようなことがあれば、大きなクレームになりかねません。
●確認不足
企業側と相手側(顧客・取引先)との認識に相違が生じてしまう場合です。例えば、相手側では標準装備に当然含まれるものと認識していたサービスが、実はそうではなく、オプションで別途料金が発生することが判明し、トラブルになるケースです。
●サービスが不十分であった
サービス提供まで長く待たせてしまった、もしくは提供したサービスに不備があったなどのケースです。
実直に業務をこなしていても、ミスは起こります。また、小さな思い違いによって認識のズレが生じる可能性もあります。そのような理由によって、顧客や取引先との関係が悪化してしまった場合は、迅速に謝罪の意を伝え、関係修復に努めることが不可欠です。相手側の怒りが大きい場合は、お詫びの言葉だけでなく、なんらかの物品を渡すこともあります。
お詫びの品としてよく用いられるのは「菓子折り(進物用の菓子)」でしょう。しかし、重大なミスをした場合には、謝罪のしるしとして「お金」を渡す場合もあります。次章以降、お詫びの言葉とともに「お金」を渡す場合のマナーについて見ていきます。
お詫び金のお金を渡す際の相場や基本マナー
お詫びの品としてお金を渡す場合、相手によっては「こちらの怒りを金で解決しようとしている」「お金が欲しくて怒っているのではない」と感じる人もいるでしょう。
そのような事態を回避するためには、誠意をもって謝罪の気持ちを伝えると同時に、マナーを守ることが重要です。お詫びのお金を渡す際の相場や一般的なマナーを見ていきます。
お詫び金の相場
本来、謝罪とは「気持ち」を伝えるものなので、お詫び金の金額に明確な相場はありません。自社の過失の度合いやトラブルの内容に応じて、金額を考えていくとよいでしょう。なお、菓子折りの場合は、3,000円~10,000円程度が一般的とされています。
封筒に入れるマナー
・シンプルな白の封筒が無難
むき出しの現金をそのまま渡すのは失礼となってしまうため、封筒に入れるのがマナーです。「のし袋」は丁寧ですが、慶事を連想させてしまう懸念もあります。誤解を避けるためには、シンプルな「白の封筒」が無難です。中身が透けて見えないように、紙質の厚い封筒か、二重封筒を選びましょう。
・のし袋を入れる場合は「結び切り」
「のし袋」に入れる場合は、水引だけのシンプルなものにするとよいでしょう。水引は一回限りを意味する「結び切り」を選択します。なお、何度でも結び直しができる「蝶結び」は、「何度でも繰り返してよい」という意味合いで使用するため、お詫びでの使用は避けなければなりません。
・新札であればなおよし
新札を準備すれば、より誠意が伝わると考えられます。しかし早急に謝罪したいときには、新札の用意が難しいこともあるでしょう。その場合は、「向きをそろえる」「汚れているお札は避ける」などの配慮をする必要があります。
・手紙を添えるとより丁寧
手紙を添えたほうが丁寧ですが、対面で渡す場合は口頭での謝罪が可能なので、必須ではないとも考えられます。ただし、郵送で対応しなければならない場合は、きちんと謝罪の気持ちを記した手紙を添えましょう。
郵送するのは失礼か
謝罪の気持ちを伝えることを第一に考えるなら、本来は直接出向くのが適切です。しかし、相手の所在地が遠方の場合は、電話で謝罪の気持ちを伝え、お詫びのお金を郵送しても失礼ではないでしょう。
ただし、現金を郵送する際は、お金を用意して梱包して、現金書留で送るなど手間がかかります。現金ではなく、商品券やギフトカードなら、購入とともに配送手配までできるため、従業員の手間を大幅に削減することができます。発行会社のサービスによっては、包装やメッセージ対応もあります。
お詫びのお金として、商品券やギフトカードの活用も
お詫びのしるしとしてお金を渡す場合は、前述した基本マナーに注意が必要です。なお、商品券やギフトカード、プリペイドカードなどを送る場合は、現金のように「新札を準備する」手間は不要で、お札の枚数の数え間違いといったミスも回避できます。
実際に、お詫び品としてプリペイドカードを活用している企業の事例を紹介します。
JAL(日本航空株式会社)の事例
同社は、天候不順による遅延や機材トラブルなどにより、搭乗者にお詫びが必要な場面がどうしても発生してしまいます。以前は食事に利用できる「ミールクーポン」や「現金」を使用していましたが、新たにグローバル化やキャッシュレス化が推進できる「バニラVisaギフトカード」を採用しました。
【効果】
キャッシュレス化により顧客満足度が向上したほか、世界的なブランドである Visa のカードは海外旅客にも喜ばれました。また、企業側の作業負荷の軽減にも大きく寄与しました。バニラVisaギフトカードは、1円単位で金額指定できるため、補償内容に合わせた金額をその都度指定できます。カードの仕入れと使用をデジタル管理できるようになり、現金を準備して封筒に入れる作業や、対応後の本部報告のための各種集計、記録作業などが一切不要になりました。
詳しくは以下、日本航空株式会社様 活用事例もご覧ください。
お詫びを渡したいが「現金ではあからさまなのでは」と考える場合は、プリペイドカードを検討してみるとよいでしょう。「Visaギフト バニラ」ブランドの商品は、多くのVisa加盟店で利用できるため、お詫びのお金の代替品としても利用できます。プラスチックカードタイプのギフトカード「バニラVisaギフトカード」なら、3,000〜100,000円の範囲で1円単位で金額を設定できるため便利です。ギフト包装にも対応しており、業務負担も軽減できます。
「バニラ Visa ギフトカード」の詳細はこちらから
お詫び金の費用計上も忘れずに
お詫びのお金を用意した場合は、経理処理が必要です。業務に起因したお詫びであれば、「費用」として計上することが可能です。その際の勘定科目は「営業外費用」「クレーム費用」「特別損失」「雑損失」などが考えられます。お詫び金が発生するたびに勘定科目を確認する手間を省くため、あらかじめ状況を想定して、計上ルールを決めておくとよいでしょう。お詫び金が発生したときに、迷わず速やかな記帳が可能になります。
また、お詫びのお金が発生する場面では、領収書を受け取れないケースが多いと推測できます。支払いの事実があったことを証明するために、謝罪の手紙や支払いの「経緯報告書」「稟議書」などを書面で残しておくことも大切です。書式や様式をある程度定めておくと、発生事の対処がしやすいでしょう。
商品券やギフトカードをお詫びとして使用した場合も、経費とすることが可能です。
詳細は、以下の記事をご参照ください。
商品券やギフト券は経費になる? ケースごとの経費処理を紹介
お詫びのお金は、マナーや注意点を守って適切な渡し方を
なんらかのトラブルや認識の行き違いなどにより、顧客や取引先との関係性が悪化してしまったときは、速やかな謝罪が必要です。ただし、謝罪の気持ちがあってもそれがうまく伝わらないと、かえって相手が気分を害してしまう可能性があります。お詫びをする、また、お詫びともにお金や商品券を渡す際は、相手に誠意を伝えるとともに、マナーに留意することが求められます。また、お詫びによって事態が鎮静化した後は、記録を残して再発防止に努めることも忘れてはなりません。かかった費用の計上という、事後の処理も滞りなく行いましょう。