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賞与はどう決める? 計算方法や支払い対象、種類などを解説

賞与は、毎月の給与と違って、労働基準法上の支給義務はありません。そのため、賞与の必要性を疑問視する企業もあるかもしれません。しかし、従業員や求職者にとって賞与は、大きな魅力といえます。

そこで今回は、従業員に賞与を支給するメリットを紹介します。また、賞与の決め方や計算方法など、賞与制度についても確認しましょう。

決算賞与や特別賞与(臨時ボーナス)を検討中のご担当者様は、以下の資料も合わせてご確認ください。

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目次[非表示]

  1. 1.賞与とは
    1. 1.1.賞与の種類
    2. 1.2.賞与の支払い対象
  2. 2.賞与を従業員に支給するメリットと注意点
    1. 2.1.賞与のメリット
    2. 2.2.賞与の注意点
  3. 3.賞与額の決め方は?
  4. 4.賞与を支給する流れや計算方法
  5. 5.賞与はメリットと注意点を理解して活用しよう

賞与とは

賞与は、毎月の給与と同様に「賃金」といえます。労働基準法第24条において、給与は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならない」と定められています。その一方で、賞与についてはそのような規定はありません。

つまり、賞与は給与と違い、規定や支払う法律上の義務はないといえます。しかし、多くの企業で賞与(ボーナス)制度は導入されています。実際のところ、厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和3年夏季賞与の結果」によると、賞与を支給する事業所の割合は平均で65.1%と過半数を大きく超えているのです。

賞与の種類

賞与の種類は大きく分けて3つあります。それぞれの概要は次のとおりです。

・通常の賞与

ボーナスと呼ばれ、夏と冬の年2回支給されることが多いです。賞与の有無は企業によって異なるとはいえ、多くの企業が支給しています。そのため、クレジットカードや住宅ローンの支払いにおいても「ボーナス払い」ができるなど、社会でその存在が浸透しています。

・決算賞与

大きな利益を出した事業年度に、企業の業績に応じて支払われる賞与が決算賞与です。企業が、従業員へ利益を還元する恩恵的な目的で支給することが多く、現金だけでなく金券や商品券で支給する場合もあります。企業にとっては節税効果が期待できます。

決算賞与についての詳細は以下の記事をご参照ください。
決算賞与の支給要件や平均額は? 支給する時期やメリットも紹介

・寸志

従業員へ支給するものです。一般的に通常の賞与や決算賞与よりも金額規模は小さく、多くても数万円程度の支給を指すことが多くなります。ただし、会計上の処理はほかの賞与と同様です。

このように賞与にはいくつかの種類がありますが、本記事では「通常の賞与(ボーナス)」についてお伝えします。

賞与の支払い対象

働き方改革関連法の改正により、「同一労働同一賃金」の制度が開始しました。これによって、パートやアルバイトなどのいわゆる非正規雇用と呼ばれる従業員にも、賞与を支払う必要性が生じるのではないか、と疑問をもつ企業もいると推測されます。結論として、同制度はパートやアルバイトへの賞与支給義務を課すものではありません。

同一労働同一賃金の趣旨は、企業内において「正社員」と「パート・アルバイト等」の不合理な待遇差の解消を目指すことです。職務内容や企業への貢献度の面から、「パートやアルバイトには賞与を支給しない」ことが合理的であれば、賞与がなくとも問題はありません。しかし、職務内容が同じであるにもかかわらず「正社員のみに賞与がある」といったケースは、同制度の趣旨に違反するため、是正が必要です。

ほかの論点として、支給日在籍要件があります。賞与支給の要件として「支給日に在籍していること」を挙げる企業も多いでしょう。支給日直前に退職した場合、もしくは支給日に休職・休業中の場合は、支給の有無が問題になる可能性があります。従業員とのトラブル防止のために、このような場合の支給につき、社内規定を明確にしておく必要があるでしょう。

賞与を従業員に支給するメリットと注意点

既述のとおり、賞与は賃金(給与)とは違って、支給が義務づけられているわけではありません。任意で選択するからこそ、企業はメリットを踏まえたうえで賞与制度を運用することが大切です。

賞与のメリット

「頑張ったら賞与が支給される」ことが周知されれば、従業員のモチベーションアップにつながります。また、頑張りが認められることで、企業に対する信頼感や帰属意識の向上も期待できます。優秀な人材の他社への流出を防止でき、人材定着率の向上にもつながるでしょう。

信頼感や帰属意識の向上は、活気のある職場をもたらします。また、高い人材定着率は新規採用時におけるアピールポイントにもなります。

帰属意識向上やモチベーションアップについては、以下の記事もご参照ください。

帰属意識を高めるためには? 具体的な施策や成功事例について

【事例あり】従業員のモチベーションをアップさせるには? その施策やメリット

賞与の注意点

業績によって支給額もしくは支給の有無が変わるのが一般的です。業績が好調なときはよいですが、業績不振で支給されないときは従業員が不満を感じやすくなります。

また、賞与を支給する場合は、本来事業に回すべき資金とのバランスを考慮したうえで支給額を決定しなければなりません。賞与計算、会計処理、賞与査定、「被保険者賞与支払届」の提出などの事務処理も発生します。賞与支給にかかるコストも含めて、支給の有無や支給額を決定しましょう。

賞与額の決め方は?

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和3年夏季賞与の結果」によると、賞与支給のある事業所における1人あたりの平均額は380,268円です。産業別にみると「不動産・物品賃貸業」は前年比プラス11.6%ですが、「生活 関連サービス等」はマイナス16.9%、「飲食サービス業等」はマイナス14.9%と、産業ごとの差は大きいようです。差が生じるのは、各企業が業績に応じて支給しているためだと考えられます。

賞与額の詳細は企業によって異なりますが、一般的には、「毎月の給与(基本給)」に成績や勤務実績などの「評価」を加えて決定されることが多いです。例えば、東京都職員の賞与に該当する期末手当の場合、給料の月額に扶養手当や地域手当などの諸手当が加算された金額に、所定の「支給率」や「支給割合」を乗じるなどして決定されます。

なお、賞与は現金で支払うのが原則ですが、労働組合との労働協約があれば、現物支給も可能です。例えば、「賃金は金券類で支給することがある」といった労働協約があれば、商品券やギフト券を賞与とすることもできるのです。

賞与を支給する流れや計算方法

賞与を支給する場合の事務手続きの流れを、3ステップで紹介します。

ステップ1)賞与にかかる社会保険料を計算する

社会保険料には、「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料(40歳以上の場合)」「雇用保険料」の4つがあります。計算式は、以下のとおりです。

 ▼計算式
 「支給する賞与額の1,000円未満の端数を切り捨てた金額」 × 各保険料率

ただし、各保険料につき、企業負担分と従業員負担分があります。また、介護保険料は40歳以上の被保険者のみが対象です。

ステップ2)賞与にかかる所得税を計算する

所得税は、通常次のように計算します。

1.  前月の給与から社会保険料等を差し引く

2.  1で出した金額と扶養親族等の数を「令和3年分 源泉徴収税額表|国税庁」に当てはめて、所得税率を確認する

3.  以下の計算式で所得税を算出し、源泉徴収する

 ▼計算式
 「賞与から社会保険料等を差し引いた金額」× (※)の表の税率

ただし、賞与額が、前月の給与の金額の10倍を超える場合、計算式が違ってくるので注意が必要です。ここでの「10倍」を判断するのは、給与・賞与ともに社会保険料等を差し引いた金額です。

ステップ3)事業所の所在地を管轄する年金事務所への届出

支給日より5日以内に、「被保険者賞与支払届」により支給額等を届出します。郵送、窓口持参のほか、電子申請や電子媒体(CDまたはDVD)による届出が可能です。

賞与はメリットと注意点を理解して活用しよう

賞与には、従業員のモチベーションアップや帰属意識の向上など、さまざまなメリットが期待されます。しかし一方で、業績不振により支給しない年度があると、従業員に不満が生じるおそれもあります。
また、同一労働同一賃金の導入により、正社員やパート、アルバイトなど多様な働き方をする従業員すべてに対して公平な支給ができるよう考慮しなければなりません。
賞与は多くの企業で取り入れられていますが、自社にとって賞与が有効かどうかを見極めることも重要です。賞与制度を導入する場合は、賞与が自社にとってよりよい効果をもたらすように整備しなければなりません。賞与制度のメリットと注意点をよく理解したうえで活用しましょう。

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