販促とプロモーションはどう違う? プロモーションの基本と事例
「販促」と「プロモーション」の2つはどう違うのでしょうか。「宣伝」や「販促プロモーション」など、似たような表現はほかにもあります。どれもなんとなく意味を理解していても、正確にはどう違うのかわからないかもしれません。しかしマーケティングでは、それぞれの言葉の意味がきちんと定義されています。
ここでは、販促とプロモーションの違いから、プロモーションの手法や流れ、プロモーションの事例までを詳しく紹介します。
販促活動で活用されるノベルティについては以下の資料で詳しく解説しています。
よくある課題や選び方のポイントを紹介していますので、ぜひご活用ください。
【資料ダウンロード】
販促効果を高めるノベルティ選びのポイントとは ノベルティ選びでよくある課題 3 選
目次[非表示]
販促とプロモーションの違い
販促とプロモーションの定義について説明します。
販促とは
販促とは「販売促進(Sales promotion)」を省略した言葉で、「販売」を「促進」するための施策のすべてを指します。つまり、顧客に自社製品やサービスの存在や良さを伝え、購買を促すことです。店頭での施策や広告、キャンペーン、オンラインキャンペーンなどのすべてを含みます。
販促については、以下の記事もご参照ください。
販促とは? 目的や種類、効果的な販促を行うためのポイント
プロモーションとは
プロモーションとは、自社製品やサービスを売るための活動の総称です。顧客と自社との双方向のかかわり、コミュニケーションを前提に行われます。
プロモーションには、「プル型」と「プッシュ型」の2つの戦略があります。
●プル型:広告やPRなどで消費者の目を引き、自発的な購入を促す
●プッシュ型:店頭キャンペーンや販売促進などで直接消費者の背中を押して購買に導く
プロモーションの意味や定義
プロモーションには、広義のプロモーションと狭義のプロモーションがあります。
広義のプロモーション
自社製品やサービスを売るための活動の総称で、広告宣伝、販売促進、PR(パブリックリレーションズ)、人的販売の4つの要素(手法)を含みます。
この4つを一貫性を持った戦略で組み合わせ、シナジー効果を上げるように実施するのがプロモーション戦略です。
狭義のプロモーション
広義のプロモーションに含まれる4つの要素のうち、販売促進(セールスプロモーション)を狭義のプロモーションともいいます。意味は販促と同じです。
プロモーションは、マーケティングの4P理論にも含まれます。
マーケティングの4P理論
マーケティングの4P理論とは、マーケティング目標達成のため、企業側(売り手側)視点の4つの要素を最適な形で組み合わせ、実施することです。「マーケティングミックス(marketing mix)」とも呼ばれます。それぞれの要素は単独で考えるものではなく、相互に影響を与えて働きます。4つの要素(4P )は次のとおりです。
4P |
4C |
Product(製品) |
Consumer Value(顧客価値) |
Place(場所・流通) |
Convenience(利便性) |
Promotion(販促活動) |
Communication(コミュニケーション) |
Price(価格) |
Cost(コスト) |
4Pは、上記のように顧客側(買い手側)視点の4つの要素(4 C)とも組み合わされ、顧客のニーズを分析できます。
プロモーションの手法には5つある
代表的なプロモーションの手法とは、「広告宣伝」「販売促進」「PR」「人的販売」の4つの要素に「口コミ」を加えたものです。
しかし、一つの手法しか使わないプロモーションはありません。これらを適切な比率で組み合わせて使うことで、より高い効果を上げることができます。
1)広告宣伝
テレビや雑誌、Web広告など、メディアを通じて行うプロモーションです。ターゲットの目にとまりやすいメディアとタイミングを選び、出稿することがポイントになります。
実施するためには大きなコストがかかりますが、狙ったターゲットに届けやすく、多くの人の目を引くことができる手法です。
2)販売促進
商品購買を活性化するための施策すべてです。店頭のPOPや陳列から、見込み客や潜在顧客への営業、小売店に対する指導とインセンティブなど、幅広い範囲をカバーします。
3)PR(パブリックリレーションズ)
テレビや雑誌、Webサイトなどのメディアに記事を掲載してもらうことです。商品に関する記事を作成してもらったり、依頼して取材を受けたりします。1)の広告宣伝では自社費用で広告を掲載しますが、PR の手法では、メディアが自発的に新商品情報などを記事として取り上げます。
ニュースリリースの発信、新聞・雑誌の紹介記事、各種のイベントなど、さまざまな機会を用意して、消費者とコミュニケーションをとる機会を増やします。
4)人的販売
実演販売や訪問販売など、販売や営業のスタッフが直接顧客にアピールする販売手段です。人間が対面でかかわっていくのがポイントで、見込み客や顧客との直接的な双方向のコミュニケーションが可能です。コストがかさみますが、成果も大きい方法です。
5)口コミ・SNS
近年、重要性が増しているプロモーション手法です。知人や友人からの口コミ、SNSでの評判、サイト上のレビューなどは、購入決定に大きな影響を与えます。そのため、SNSやインフルエンサーを活用した広告、キャンペーンなどが多く展開されているのです。
人為的に人々の注目を引き話題を集めることを「バズマーケティング」、人から人へと評価を伝播していく仕掛けをつくることを「バイラルマーケティング」といいます。
キャンペーンについては、以下の記事も併せてご参照ください。
デジタルギフトを活用したキャンペーンとは? メリットや成功事例を紹介
販促キャンペーンを成功させるポイントとは? 手法や成功事例を紹介
実際にプロモーションを行うには?
プロモーションは、一般的に次のような流れで行います。
1.ターゲットの明確化
商品のターゲットを決定します。ターゲットには細かなペルソナ(人物モデル)を設定し、ペルソナが抱えている課題を抽出します。そして、その課題が製品とどのようにマッチングし、解消されるかのストーリーを構成します。
2.目的の決定
最終目的は購買です。そこに至るまで、どのように消費者にアピールし、コミュニケーションをとるかのプロセスを細かいステップに分け、ステップごとの目的を設定します。
3.発信内容の設計
プロモーションや、そこで行われるコミュニケーションのコンセプトを決定します。だれが、どんなメッセージを、どのように発信するかを明確にします。
4.発信場所の選択
設計した内容をどこから発信するのか、チャネル(媒体)を決定します。チャネルはマスコミ、雑誌、テレビ、SNSなど、ペルソナに合わせて選びます。
5.予算設定
目標と内容からチャネルを決めたら、プロモーションにかかる費用を計算します。
6.比率設定
上述した5つのプロモーション手法を、どのような比率で組み合わせて使うかを決定します。ペルソナや商品の特性により、比率は大きく異なります。
7.プロモーションの実行
設計通りにプロモーションを実行します。
8.効果測定
一定期間を経過したら、プロモーションの効果を測定します。効果測定の期間や手法については、あらかじめ決めておきましょう。認知度、モニタリング、アンケート、購入者数などさまざまな視点からの測定が可能です。
販促プロモーションで効果のあった事例
過去に実際に行われた販促プロモーションの事例を紹介します。
事例1 ファミリーマート
ファミリーマートでは、イベントの早期申込者への景品として、汎用性が高い少額デジタルギフトである「Visa eギフト バニラ」を配布しました。
ファミリーマートだけでなく、幅広い店舗やオンラインショップでも使えるギフトだったため、ユーザーの満足度も得られ、高い効果があったといえます。また、デジタルギフトなので配送料がかからず、企業側としても費用対効果の高いキャンペーンでした。
事例2 ヘルシア緑茶
花王の「ヘルシア緑茶」は、中高年ビジネスマンをターゲットとした特定保健用食品で、マーケティングの4P理論を生かして効果を上げた典型的な事例として有名です。
- Product(製品):脂肪の燃焼を助ける成分入りという商品特性
- Place(場所・流通):ビジネスマンが立ち寄りやすいコンビニエンスストアでも購入可能
- Promotion(販促活動):同年代の俳優を起用して認知度を挙げ、共感を呼ぶ
- Price(価格):少し高めの価格設定を維持し、効果を期待させる
このプロモーションが当たり、ヒット商品になりました。
事例3 江崎グリコ
1999年から毎年11月11日に行われている「ポッキー&プリッツの日」キャンペーンはよく知られています。最近ではTwitter上でユーザー参加型のキャンペーンを行い、多くのリツイートを獲得しました。SNSが盛り上がるにつれ、商品の売上増加にもつながったようです。
販促とプロモーションの範囲は違うが目指すところは同じ
販促とプロモーションは、どちらも自社製品を売るための活動です。プロモーションと販促では、言葉が示す範囲は異なりますが、どちらも、狙ったターゲットに自社製品を購入してもらうために行う活動なので、混同しやすいかもしれません。
ターゲットに自社製品を購入してもらうためには、よりターゲットの目を引くプロモーションが必要になります。そのためには、キャンペーンやノベルティという手法も効果が高いでしょう。最近は、キャンペーンで、幅広いターゲットに使い勝手の良い、汎用性の高いギフトカードやデジタルギフトを活用する企業も増えています。
「Visa eギフト バニラ」や「バニラVisaギフトカード」は、販促キャンペーンとして多くの企業に活用されています。全国のVisa加盟店で利用できるため顧客満足度も高く、小額から金額を設定できるため利用しやすいでしょう。「Visa eギフト バニラ」は、オンラインでのやりとりですむデジタルギフトなので、SNSを活用したオンラインプロモーションにも向いています。配送や梱包にかかるコストを抑えられる点もポイントです。
百貨店や飲食店などの店舗でも使えるカードタイプの商品券「バニラVisaギフトカード」もご案内しています。
「Visa eギフト バニラ」「バニラVisaギフトカード」の詳細はこちらから